メインクーンってどんな猫?

  

メインクーンってどんな猫?

 『メイン州のアライグマ』という名前を持つこの猫たちは、様々な種類の猫を祖先に持つヨーロッパからの移民猫です。
 いつ、なぜ、誰がこの名前をつけたかは不明ですが、基本的なメインクーンのカラーであるブラウン タビーの色合いと、ふさふさした立派な尻尾がアライグマのそれを連想させたからでしょう。

 水遊びが好きで、少々手足が濡れることも厭わず水の中に手を入れ、水をすくって飲みます。そのような仕草もアライグマが食べ物を洗って食べる様に似て見えたのかもしれません。
  手先が器用で、物を手でつかみ立ち上がっておもちゃにして遊びます。ドアノブを回して開けたり、アルミサッシの重たい引き戸を指で押し開けるなど朝飯前ですし、人の顔を両手で挟み自分に近づけキスを迫る甘えたさんもいます。


どこから来たの?

 セミ ロングの毛は多分その祖先にアンゴラ猫などが入っているからでしょう。
 
アメリカ大陸に渡った猫たちは移民者と協力して、その土地で生きぬくため、環境に適応した姿形に変化していきました。
 不揃いなセミ ロングのコートはブッシュや岩山を速く走るために一番適した長さだったし、指先に蓄えられたはみ出した長い毛は雪を踏みしめて歩くために必要でした。
  厳しい寒さから耳を守るためにイヤータフトが長くなり、野生のなかで生き残るために、小動物を捕まえ食べる頑丈な顎と鋭く曲がる爪が発達しました。
 彼らは本当の意味で雑種であり、ワーキングキャットです。
(いまだに彼らの身体に顔を埋めると、遠い地平線や馬小屋のわらの匂いがする気がします。)
 耳先に残るリンクス ティッピングは、ひょっとしたら野生の小型の猫種との交配の証拠かもしれません。
 彼らはアメリカに住み着いたドメスティックキャット(土着猫)なのです。


どんなルックス?

 猫種の中では大型で、なかには体重が12s以上になる超大型の猫もいますが、ほとんどはオス猫で6〜8s、メス猫では4〜6s程度です。
  しかし胴長の体型のため、実際の体重以上に大きく見えます。
  長方形の長い胴、大きくて骨太な手足、幅広い胸板と筋肉質ボディ、頭の高い位置につくとんがり帽子のような大きな耳、美しい曲線の横顔、まるでマッチ箱をくっつけたような四角いマズル、硬い骨でもかみ砕けそうな頑丈な顎、長いしっぽにはふさふさした流れるような毛、そして、好奇心旺盛なきらきら輝く瞳 。


メインクーンとの生活

 メインクーンは温厚で、平和主義者で、協調性があり多頭飼いしてもトラブルの少ない猫種だと思います。
  知能も高く陽気で一度飼い主と信頼関係を持つことができると、飼い主の期待に応えようと犬のような服従心をみせ、人とふれあうことが好きで、犬のようにまとわりついて遊ぼうと誘ってきます。
  からだ全部で愛情を表現し、情熱的にKISSを迫ったり、人の顔めがけて頭突きを食らわす強者もいます。
 
モールで作った小さなぬいぐるみや銀紙で作ったボールなど特にお気入りで、 投げてやると口でくわえて運んできて、何度も何度も“投げて!”とねだる子もいます。  優しくて、たくましくて、人との信頼関係を何よりも大切にしてくれます。

  しかし猫らしい独立心の強い一面も持ち合わせていて、理不尽な扱い、自分の意に反するときに抱かれたり、強く手荒に扱われたりすることを嫌い、反抗的に猫キックなどで応戦することもあります。
 
よほどの興奮状態に陥らなければ威嚇する程度の反抗で、本気で爪や牙を立てることはめったにありません。
  他の動物と一緒に生活することにも順応性が高く、時間はかかるかもしれませんが、ウサギ・犬・カメなどと仲良く暮らしているメインクーンを知っています 。


ブリーディング

 体は丈夫ですし、お産も子育ても上手で、一度に6〜7匹も産む多産系のお母さんもいます。
  子猫たちは3〜4週間もすると自分で食べることに興味を持ち、ウンチやオシッコも一人で覚えてしまいます。



グルーミング

 長毛種ですが、被毛はセミロングでサラサラとしたシルクのような手触り、手入れはとても簡単です。
  週に1〜2回軽く櫛を入れてむだ毛を取り除いてやり、シャンプーは3〜4週に1回程度。
(もちろんその猫の毛質によって回数は変わってきます。半年に1回のシャンプーでもO.K.の子もいます。)
  これで十分美しさを保つことができます。  


キャラクター

 ほんの短い距離なのに跳びそこなって、背中から落ちるという猫にあるまじきドジをして笑わせてくれたりもします。
 長い胴と手足をいっぱいに伸ばし、腹を仰向けに出し無防備に寝る姿を見ていると、本当に猫なのかと疑いたくなってしまいます。
  この猫はどうすれば一番愛してもらえるかを心得ているだけでなく、どうすれば人を和ますことが出来るか、癒せるか、人の心を穏やかに落ち着かせるすべを心得ている、愛することを知っている猫たちです。

 心がブルーになって落ち込んでしまっている時、彼らは私のそばに寄り添い暖かい優しさを分けてくれます。
  猫の胸の毛の中に指を滑り込ませると、その下のたくましい筋肉が電池の切れた私の心にパワーを充電してくれます。
 
  この子達がいるから私は笑っていられる、そんな気にさせてくれる猫です。


Herbykatz Maine Coons

この猫と出逢うことができて私は本当に幸せです。
この猫たちと出逢えたことを本当に感謝しています。
  もしメインクーンに興味を持ってくださる方がいらしたら、
その方にも私と同じように幸せな時間を持ってもらいたい、
それがメインクーンのブリーダーとしての私の願いです。

タイプの良い猫を作り出すのはブリーダーとして当然の義務ですが、
それ以上にこの猫の持つ内面性の素晴らしさを失わないように、
健康で性格の良い仔猫を作り出すことが、
ブリーダーとして一番大切なことだと思っています。

 

1998.5

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